便利なのに使われないもの

以前、どこかのブログで「ちょっとした不便を解決してあげる」ことがインターネットの世界でヒットするサービスの秘訣だ、という記事を読んだ。最近になって「ちょっとした」という部分がポイントなのだと気づいた。

先日、愛用しているテキストエディタに高度なバックアップ機能があることを知った。ファイルを編集すると、自動的に複数世代のバックアップをとってくれるのだ。仕事でプログラムをいじる時はとても便利そうな機能だ。しかし、いざ使おうすると設定などちょっと面倒くさい。そもそも私は、エディタの機能に頼らなくてもファイルを編集する時は、驚異的なキーボード操作でバックアップをとれるのだ。結局諦めた。

「ものすごく」不便な事があった時、普通の人は興味を無くす。どうしても必要な人は、がんばって不便を解決、または克服する。だから「ものすごく」不便な事を解決して欲しがっている人は意外と少ないのかもしれない。病気などの不幸や世界のどこかの戦争、貧困は別として。(不便どころではないので)

仕事をしていても画期的な提案をしたつもりが、相手の食いつきが悪くてがっかりしたことがある。今度からは、相手がずっと我慢している「ちょっとした」不便にも注目しようと思う。