夜と霧
決して楽しい本ではないけれど、感銘を受けました。印象に残った部分をいくつか。
強制収容所での過酷な生活を支えた心の持ち方について
人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、
あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない。
わたしたちが過去の充実しいた生活のなか、豊かな経験のなかで実現し、
心の宝物としていることは、なにもだれも奪えないのだ
著者が迫られた発想の転換
生きることの意味を問うことをやめ、わたしたち自身が
問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ。
(中略)
生きるとはつまり、生きることの問いに正しく答える義務、生きることが
各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けることに
ほかならない。
強制収容所から出て自由になった被収容者が、急に元の世界に戻って、
精神的なバランスを失ってしまうことについて
強制収容所の人間を精神的にしっかりさせるためには、未来の目的を
見つめさせること、つまり、人生が自分を待っている、だれかが自分を
待っていると、つねに思い出させることが重要だった。
- 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
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